報道された東京都特別就労対策事業に対しまして、

組合として以下の見解をまとめさせていただきます。

 7月24日Abema.tv7月27日夕方テレ朝 にて報道された特別事業に関して、先ずはじめに先のAbema.tv内番組司会者の山谷の全ての日雇い労働者だけが甘い汁を吸っているような報道に関し非常に心を痛めると共に憤慨の念を隠しきれません。山谷や近隣で野宿を強いられている労働者・日雇労働者の中には、この東京都特別就労対策事業が無いと暮らすことが出来ない労働者がいることをご理解ください。

 

 現在報道のあった職安(上野職業安定所玉姫出張所)に就労登録がある人数は3000人弱となり、一日に195名の求人となっています。15営業日に対し1日仕事が出る割合となっておりますが、自分の順番を飛ばすことで、譲り合いながら仕事を他の労働者にもまわるようにと頑張っていますが、それでも1週間に1日から10日に1日程度の仕事にしかなりません。

 また、報道ような就労状態は渦中の事業者だけであり、公園清掃・他の道路清掃などは厳しい暑さの中で日頃から路上生活や薄い壁で鍵も簡単に開けられるドヤ(素泊り1泊2200円程度)での生活の中で睡眠不足・栄養不足の労働者が働いています。

 直射日光が当たる現場では、体感気温が50度近くに感じることもあるでしょう。そのような厳しい労働環境でも、

「働かずにメシを食べるわけには行かない」

と言いながら働く日雇い労働者もいることをぜひ皆様に知っていただければ幸いです。

 

 またICレコーダーの音声ですが、労働者が本当に録音したものかも我々にはわかりません。それは、昨今民放各局での捏造が続きマスコミの信頼性が揺らいでいるからであり、報道だけが真実と言い切れないことが続いているからに他なりません。

 

 当組合では事実関係の確認と、東京都山谷対策係への責任追及ならびに報道により80労働機会が消失した件について抗議活動を予定しております。

また、日雇労働者の責任ある労働について周知を図り、一日も早くゆっくり休みしっかりと働ける環境を労働者自身が築けるよう支援を続けてまいります。

 何かと至らない点も多いと存じますが今後とも御支援・御協力ならびにご理解を宜しくお願いいたします。

2018年 7月 28日   

 東京・山谷日雇労働組合